【集え!視覚言語界の住人たち!】
NPO法人ことの葉741Hzは、視覚言語を主たる言語として生活しているみんなが自分らしく、楽しく、表現の壁に悩むことなく、日々の営みをhappyに送れることを望んで活動しています。
世間一般でいうところの健常者(日常生活行動に支障のない人)は多数派であり、日々の生活に支障のない事柄が普通であり、当たり前であり、気付かないのがほとんどではないでしょうか?
今回、この記事を発信しているこのわたしも、その多数派の1人です。
たった今、パソコンに向かい、この記事を書いているわけですが…。
BGMを流し、タブレットでは韓国ドラマが映っています。
いわゆるながら作業ですね。
パソコン作業の際によくある極々平凡で当たり前のルーティンです。
この状況に違和感を感じることもなければ、疑問が浮かぶ多数派の人はほとんどいないのではないでしょうか?
もしかすると、
「音楽聴きながらとか、映像を流しながらとか、気が散って無理!」
という人もいるかとは思いますが(汗)
とかく私はドライブが好きで、ほとんどの移動を愛車で行い、車旅も車中泊も頻繁にする人なのです。
そんな私がエンジンをかけたあとに必ずすることは、Bluetoothにスマホを接続し音を流すことです。
音楽に飽きたら、お気に入りのラジオにチャンネルを合わせてパーソナリティーの面白い話や、流されるリクエスト曲などを聴きながらドライブをするんです。
音楽の持つ力、耳から入ってくる音…
生活の中にまるで空気のように存在する雑音もあれば、自身が置かれた状況にとても影響を与えた音楽にも数多く出会ってきました。
生まれてからずっと…
音はいつもそこに存在していました。
なかでも音楽が持つ力というものは、近年のグローバルな時代にふさわしく国境をこえて数々の音楽がたくさんの人々へ様々な影響を与えるようになりました。
【音楽が世界を救う】【音楽は世界共通】【音楽で世界を変える】などというフレーズにも共感したこともあれば、確かに勇気づけられたことも、苦境を乗り越えられたようなこともありました。
そして今、私は多数派の自分の日常が当たり前と思っていたことに違和感を感じています。
多数派が正解ではない。
多数派にとっての当たり前は、本当の当たり前ではない。
ただ、その共通の事柄を体感できる人が圧倒的多数いるだけにすぎない。
そんなふうに感じています。
ただただ、なんの取り柄もない平凡な存在でしかない自分に、今更ながら勘づき始めたとでも言いましょうか。(もちろん優れた才能を持ち、発揮し、活かしている人も多数派にはたくさんいますが)
多数派の自分が障害というものがなく幸せであるといえるのか?
それも疑問です。
私が存在している多数派の世界に何も疑問を持たずにいたことに疑問を持ち始めたきっかけとなった彼女のことを、これから話したいと思います。
いつのことだったろう?
私が初めて彼女と出会ったのは…。
瞳がクリクリしていて、あどけなさが残る彼女はいつも真っ直ぐに、私を見つめていました。
そして現在、とても美しい女性に成長しました☆
多数派の世界に生まれた私と違うことはたったひとつ…。
彼女は音が無い世界に生まれたということだけ。
多数派が多数派のために作り上げてきた社会だから、歴史や文化、技術の発展と共に音が生み出すパワーが大きく影響するようになった世界です。
ここで疑問が生じます。
音の無い世界の住人が多数派だったとしたら?
他の場合も考えられます。暗黒の世界の住人が多数派だったとしたら?
どんな社会になっていたでしょうか?
音の無い世界の住人が障害を持っているということですか?
あるいは暗黒の世界の住人が障害を持っているということでしょうか?
障害とは、多数派が多数派のために創り出したこの社会が、少数派にとって壁になってしまったことを意味するのではないでしょうか。
たとえば、多数派が音のない世界だったとしたら、視覚言語が社会の常識となっていたことでしょう。
もちろん、現在における多数派の住人である私は、音楽の力に勇気づけられたり、楽しくなったりと、生まれてからずっとあらゆる音に喜怒哀楽の影響を受けています。
では、音の無い世界の彼女たちは、音の楽しみを知らないことが不幸なのでしょうか?
不幸だと思っているのでしょうか?
私の答えはNOです。
彼女は、生まれてからずっと音を知りません。
しかし、音楽を聴きながら談笑している私が振り返ると、彼女は彼女の世界で笑顔を見せていました。
彼女がこのときもしも悲しいと感じるとしたなら、【音楽を聴けないこと】【発語の内容が聞こえないこと】ではなくて、みんなと楽しみを共有できないことだと思うんです。
障害とは、多数派が多数派のために創り出したモノが、少数派の世界の壁となっているものが多いのです。
彼女たち自身が障害を持っているのではないんだ!そう思うんです。
多数派の世界の住人として、この世界の進化や文化を本当に幸せだと思うと同時に、その世界に感謝し、少数派の住人にとって壁になってしまったものがあれば、その壁を取り除いていくことが必要なのだと考えます。
その壁を取り除くのは、多数派のために発展した社会に恩恵を受けている多数派の私たちではないでしょうか?
福祉とは障害のある人を助けるという概念かも知れせんが、それはどこか何か違っていて、本当は障害のある人なんてこの世のどこにも存在していなくて、多数派が便利に創り上げた今の社会が障害になってしまった少数派の人々が存在してしまい、その社会の障害を取り除くことが福祉だと捉えるようになりました。
音の無い世界の彼女は車だって運転します。
スノボにだって出かけます。
彼女にとってそれは当たり前のことなんです。
ただ、そこに音がないだけ。
音が無いことで、今の社会では危険なことが多いのは確かですが、音が無い世界の住人が多数派であったならば、今の社会は音が無い世界の住人のために文化も技術も発展したのではないでしょうか。
そんな音の無い世界の住人である彼女。
何もかも並に持っている私なんかより、とんでもないほど視覚的な能力を持っています。
もちろん彼女個人の才能や個性もあって、あっと驚かされることがあります。
不思議な能力といえば、動物たちとの意思疎通も目を見張ることがあるんです。
そんな彼女の視点は、アートも生み出します。
私たちが思いもよらない視点でモノ・コトを捉えます。
そして…
私たちNPO法人ことの葉741Hzは、彼女の才能が埋もれてしまわないよう世の中へ向けて発信していくことを決めました☆
今後も、DEAF WORLDの夢や才能を発信していこうと思っています!
今後も続々と企画が生まれていきます!
そのひとつに、YouTubeやTikTokなどの動画配信サービスを活用し、DEAF DREAMER(デフ ドリーマー)の、日常生活での愉しみや好きなこと、ハマっていることなど、あなただけのポジティブでハッピーなことを、あなたの表現で、あなたの言語で、広く発信していこうという企画が誕生しました!
あなたの視覚言語が映像として配信されるとともに、そのあなたの言葉を翻訳し、発語世界の住人たちへ記事として発信します!
あなたの夢や楽しみを、NPO法人ことの葉741Hzにどしどしお寄せください!
夢を持って楽しんでいるDEAF DREAMERのご参加と、DEAF DREAMERを取り巻く皆様のご協力を心よりお待ちしております☆
※ここNPO法人ことの葉741Hzは、視覚言語世界のDEAFと呼ばれる住人の皆様を中心とした、多数派との表現による壁をなくすための活動が主であることから、その視覚言語界(DEAF)の住人とその環境に関わる多数派の方々へ向けた発信になります。